
エンドウ豆がサワービールの醸造を速くする?
Share
こんにちは!
サワーピーポー代表のケビンです。
今年の2月、ノルウェー生命科学大学(Norwegian University of Life Sciences)とノルウェー食品水産研究所(Norwegian Institute of Food, Fisheries and Aquaculture Research)が、サワービールに関する興味深い共同研究の結果を発表しました。
研究名は、
「Pea-Derived Raffinose-Family Oligosaccharides as a Novel Ingredient to Accelerate Sour Beer Production(サワービール製造を促進する新規原料としてのエンドウ豆由来ラフィノース系オリゴ糖)」。
とても興味深い内容だったので、少しご紹介したいと思います。
この研究では、エンドウマメに多く含まれる「ラフィノース系オリゴ糖(Raffinose-family oligosaccharides, RFOs)」を原料の一部に利用し、サワービールの発酵期間を大幅に短縮できたという結果を示しています。
また、官能試験の結果においても、エンドウ豆由来のRFOsを使用したビールは豆特有の風味は感じられず、フルーティな香りが強く出たようです。
RFOsは、エンドウ豆のほかにも大豆やひよこ豆にも多く含まれます。
サワービールの醸造には長い時間を要し、またブルワリー内の他のビールの汚染リスクも伴いますので、
醸造時間の短縮が一部のブルワリーに好影響を与えるかもしれませんね。
一方で、RFOsは人間の体内で消化されづらい非消化性の糖であるため、そのまま摂取しすぎるとお腹を下す恐れがありますが、乳酸菌により分解がされるため問題はないようです。
研究の詳細を知りたい方は、下記のリンクから研究発表全文をご覧ください。
https://pubs.acs.org/doi/full/10.1021/acs.jafc.4c06748
同研究チームは、以前にも木材由来のキシロオリゴ糖(XOS)を用いたサワービール醸造についての研究も発表しています。
サワーピーポーでは、サワービールに関する最新情報などをお届けしていきますので、
ぜひチェックしてください!
それではまた。